評価のフィードバック面談の機会を最大限に生かす 重信昌史
4月に新しい期になり、心機一転今期はどうしようか計画を立て、現在はその計画が進み始めている
頃だと思います。そして、そろそろ、前半期の査定結果がまとまり、各マネジャーの方々は部下に
査定結果をフィードバックする時期を迎えているのではないでしょうか。
弊社では、前回代表の桐岡がこのブログに書きましたように、「オープン査定会議」という形で、
メンバー全員(19人)が、丸一日かけて、ざっくばらんに、トップも含め「評価結果と評価理由」を
議論し共有します。そして、みんなで共有している上で、後日、上司である桐岡と一人一人
フィードバック面談の機会を設けじっくり話し合います。それは、この機会が非常に重要だと
考えているからです。
多くの企業で設定されている、このフィードバック面談というのが実は厄介なもので、同じ会社において、
このフィードバックの面談を部下を成長させる機会として使えるマネジャーもいれば、不満の種にしてしまう
マネジャーもいます。このフィードバック面談の機会は、マネジャーにとっては部下育成のチャンスでもあり、
ピンチでもあります。
私自身、組織マネジャーをやっていたときに、このフィードバック面談で幾度も失敗をしてきました。
・評価の結果を伝えるだけで、その後何の話の進展もせず短時間で終わり、互いに何の時間だった
のかもわからなかった。
・評価の結果を伝え、その評価の正当性を主張するために、その評価の元になった事実を強弁し、
メンバーも疲れた顔で終わってしまった。
・評価結果は全体の評価の中で最終決定するため、自分自身がその評価結果に納得していない。
ゆえに「私は本当はこのように評価していたが、全体のバランスの中でしょうがないんだ」と何とか
説得しようとして、メンバーから不信感を買った。
このようなことは、枚挙にいとまはありません。その上、現在は環境変化が激しく、マネジャー自身が
ますます忙しくなり、日常のメンバーのプロセスもちゃんと見られていない中で評価し、評価を伝えな
ければならなくなっています。
そこに拍車をかけるのが、今の多くの企業で用いられている「MBO」(マネジメント・バイ・オブジェクト)
という人事制度。この制度では、期が閉まり業績が決まった時点で、自分がどのような評価なのかは
マネジャーのフィードバックを待たなくともわかってしまっているので、過去のように面談で
「評価結果を伝える」という重要な機能もなくなってきています。
しかし、一方でこのフィードバック面談の機会は、非常に忙しい(マネジャーもメンバーも)中で、
会社から設定された「じっくりと話し合う時間」でもあるのです。だとすると、せっかくのこの機会を
「節目」に出来るかどうかがメンバーの成長の一つのチャンスであるともいえます。
では、どうすればこの機会をメンバーの成長の機会に出来るか。
手前味噌ではありますが、私は上司とのこの機会が自分にとっての節目になっています。
上司の行っていること、気をつけていることで大切なことは様々なことがありますが、私が節目になると
感じるのは、
「私の置かれた現実とこの半期のやってきた事実・成果を私と同じように見つめ、事実・成果を自分なら
このように捉えこのように評価するということを、私以上に考える。そしてその上で、この先その現実の
中で自分だったらどうするのかを一生懸命考え、伝える」
ということを通して、
「私の成長を願うことだけでなく、この機会にともに成長しよう」という意図を強く感じるところです。
人は話の中身だけでなく、「何のために、何を狙ってこういう話をするのか」という意図を気にする
ものです。その意図次第で、中身を受け入れようと思ったり、受け入れたくないと思ったりします。
時には、話の内容に疑問が残っても意図を汲んで「話の細部をつついてもきりがない。意図・趣旨・
狙いはわかるから意図を汲んで話を先に進めよう」という判断をすることも少なくありません。
フィードバック面談でも同じです。
フィードバック面談の目的は、
1. 評価の結果を伝えること
2. 評価の妥当性・公正性への納得
3. 評価への納得
4. 次の目標設定につなげる
5. 業績を上げる
6. 仕事を前進させる
7. メンバーの成長
8. ともに成長するためのヒント・関係
と、様々あります。
どれが正しいということはありません。自覚して自分を揺れなくすればいいと思います。
これから、もしくは今フィードバック面談を控えている方は、
「いったいこのフィードバックを何の目的でやろうとしているのか」ということを、
一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
